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歯科情報

過去のアスベスト被害

コツコツと働き、それででも平均年収が少ない僕たち歯科技工士。その中の二人が、アスベスト(石綿)と関連の強い胸膜中皮腫で90年代後半以降に亡くなってていたことがわかったそうです。ホントふんだりけったりというか、泣きっ面に蜂というか、とても悲しい事実です。しかしこれはこの二人だけではなく、氷山の一角です。
きっと公になっていないアスベストによって亡くなられた方はもっともっと多いと思います。


 歯冠修復の鋳造作業ではかつて石綿を含む耐熱リボン(アスベストリボン)などが広く使われていました。欧州では60年代から歯科技工士の中皮腫が報告さ れていましたが国内の発症例は知られていませんでした。日本歯科技工士会は改めて会報でアスベストリボンの使用についての注意を呼びかけているそうです。
死亡したのは46歳と82歳の男性で、02年の石綿研究会で横須賀共済病院や大阪府立成人病センターなどのグループがそれぞれ報告していたそうです。
歯科技工士会によると、熱に強い石綿リボンは60年代から鋳型を取り囲む緩衝材に使われ、切る時に粉じんが飛散することがあったということです。


 それだけでなく溶接台のブロックや炉の内壁にも石綿製品が使われていました。
僕の知り合いのラボではまだ使っていました。ホント、使い勝手が良いん です。
歯科技工士は個人営業が多く、歯科技工所の構造基準が定められたにも関わらず、換気や集じん設備などが不十分な作業場もあります。防塵マスクも着用しない人も多いので、相当の量のアスベストを吸っていたのかもしれません。
90年代にアスベスト製のリボンから、安全なセラミック製の代替品が普及しました。
02年度に森永謙二・産業医学総合研究所部長らが歯科技工士587人にアンケートしたところ、石綿を含む材料の使用経験がある人が6割以上、調査時点でも まだ使っていた人が約1割いたそうです。
この文章を読んでいる皆さんの中で、もしアスベストを使っている方がいるなら使うのをやめるコトをおすすめします。
知り合いの方で使っている方がいるのなら止めるようすすめていただきたいです。もうこれ以上被害者を増やさないように。
(2005年7月)
(2010年12月加筆)



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