
歯科技工所の構造設備基準
歯科技工所が満たさなければならない構造の基準は、次の通りにする。
1) 歯科技工所は、別表1に示す歯科技工を行うのに必要な設備及び器具等を備えていること。
2) 歯科補てつ物等の作成、修理又は加工(以下「歯科技工作業」という。)を円滑かつ適切に行うのに支障のないように設備及び器具等が整備、配置されており、かつ、清潔で、保守が容易に実施できるものであること
3) 手洗設備、便所又は更衣室を有すること。
4) 歯科技工所は、次に揚げる事項に適合するものであること。
@ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
A 防火及び安全に配慮して機器が配置でき、かつ、作業を行うのに支障のない10平方メートル以上の面積を有すること。
B 証明及び換気が適切であり、かつ、清潔な環境の下で歯科技工作業が行えること。
C 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。ただし、歯科技工作業の性質上やむ得ないと認められる場合は、この限りではない。
D 出入口及び窓は、閉鎖できるものであること。
E 防塵、防湿、防虫又は防そのための設備を有すること。ただし、歯科技工作業に支障がないと認められる場合は、この限りでない。
F 廃水及び廃棄物の処理に要する設備及び器具を備えていること。
G 高圧ガス等を取り扱う場合には、その処理に要する設備を有すること。
H 歯科技工作業にともない、塵あい又は微生物による汚染を防止するのに必要な構造及び設備を有すること。
I 歯科技工作業に必要な書籍を備えていること。
J 模型及び書籍の整理、整頓がなされていること。
K 従事者の傷病に対する応急処置が可能であること。
5) 歯科技工室に備える作業台は、作業を円滑かつ適正に行うのに支障のないものであること。
6) 構造部分等(歯科補てつ物等の作成等に使用されるもので、原料、材料、中間物等をいう。)を衛生的かつ安全に貯蔵、保有するために必要な設備を有すること。
7) 歯科技工作業を行うのに必要な機器の保守点検は1年に1回以上必ず実施すること。
8) 歯科補てつ物等の点検及び記録の保存に必要な設備及び器具を備えていること。
常備すべき設備及び器具等
防音設備、防火装置、消火器、証明設備、空調設備、給排水設備、石膏ストラップ、空気清浄機、換気扇、技工用実体顕微鏡(マイクロスコープ)、電気掃除機、分別ダストボックス、防塵マスク、模型整理棚、書籍棚、救急箱、吸塵装置(室外排気が望ましい)、歯科技工用作業台、材料保管棚(保管庫)、薬品保管庫、歯科技工に関する書籍、その他必要な設備及び器具、計測用機器(技工用ノギス・計量カップ・タイマー・メージャーリングディバイス・メスシリンダー・温度計等)
平成17年3月18日現在
Q.歯科技工所の構造基準を満たしていますか?

資料提供:日本歯科技工士会
自営者全体では『満たしている』が72.3%、『一部満たしていない』は21.1%、『満たしていない』と答えたのは2.9%となっております。まだ、一部のラボでは設備がしっかりとしていないようです。
なかなか設備投資にまわらない事情もあるかと思うのですが、従業員の身体の健康、大きく言えば命にもかかわる事ですので基準はしっかりと守って欲しいものです。
Q.『満たしていない』『一部満たしていない』と答えた方、ズバリその項目は何ですか?

資料提供:日本歯科技工士会
『じんあい又は微生物による汚染防止構造・設備』が61.1%と圧倒的に多いです。ちなみに『じんあい』というのは『塵と埃』のことです。
粉塵だけでなく『感染症』に関しての設備も人の生死にもかかわるような大変重要な項目です。印象材や模型にスプレーで吹きかけるだけで99%除菌出来る画期的な商品も最近では販売されています。値が張るものでもないですし自分の身を守る為です、感染予防対策はしっかりとして下さい。
(2016.6.16)再編集
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