保存した自分の歯を移植
親知らずや、歯科矯正の為に抜歯した小臼歯などを冷凍し、将来虫歯などで歯を失った場合に解凍して移植手術するというサービスがあります。それが「歯の銀行」です
これは広島大学発のベンチャー企業が行っている事業です。
このサービス、以前に「抜歯した歯を使って歯科治療」というテーマでも触れたのですが、もう少し詳しく説明します。
以前の記事にも書きましたが、歯の歯根の周りには「歯根膜」というのがあり、これにより噛み締め感というのが得られます。
この噛み締め感というのは重要なもので、インプラント治療では得られません。そのことを考えるとすごく画期的な治療法かと思います。
しかしこの移植手術ですが手術自体は1、2時間で終わるようなのですが、歯の定着に約三ヶ月かかり、歯根膜がうまく機能するには約一年かかるようです。
それだけでなく、歯周病の方で歯槽骨が減ってしまっている場合や、歯に歯根膜が少ない方は移植というのは難しいようです。
まだまだ研究の余地があるようなサービスのようですね。
ある歯科医院での20年間の歯の保存にかかる費用は9万ほど。移植治療は7万ほどのようです。思ったより安いみたいですね。
余談ですが、前歯が折れてしまい、小臼歯を移植した症例を見たことがあるのですが、これはチョットな・・・という感想ですね。まあ、その歯を削ってレジン等で修復すれば良いことなのですが、途中の段階では結構恐ろしいことになってます。
もう120本以上移植手術が行われたようなので、しっかりとしたデータも出ていると思います。興味のある方は「歯の銀行」で検索してみて下さい。
(2011.11.14)
【この記事を読んだ方におすすめ】
【注意事項】
管理人が今まで気になった歯科関連の記事を参考に掲載しています。もし記事の著作権に関して問題がありましたらコチラにご連絡下さい。尚、当サイトに掲載している情報で被害や損害があっても当サイトは一切の責任を負いかねます。