烏龍茶で着色予防?
大阪大学大学院歯学研究科は「ウーロン茶の飲用が、歯垢の沈着を抑え、虫歯の予防のための有用な手段のひとつになり得る」という研究結果を発表しました。
これまでの研究では、ウーロン茶に含まれるポリフェノールには虫歯の発生を抑制するはたらきがあることと、そのメカニズムが明らかにされていた。
ラットを用いた動物実験では、虫歯原因細菌の感染前、感染中、感染後のいずれのタイミングでウーロン茶ポリフェノールを投与しても、顕著なプラークスコアの減少が認められた。
今回の実験では実際にヒトが飲用して、水と比較した場合のウーロン茶のプラーク沈着抑制効果を検証した。
試験は、18-43歳の男女31人を対象に実施し、試験開始前に全員の口腔内診査と歯面清掃を行い、全てのプラークを除去。全員を2グループに分け、一方のグループには水を、もう一方のグループにはウーロン茶を4日間飲んでもらう。
水、ウーロン茶は、いずれも食事中に最低200ミリリットル、就寝前に100ミリリットルを飲んでもらった。
試験期間中は、歯磨き・マウスウォッシュ等のすべての口腔内清掃を止めてもらい、緑茶、紅茶、コーヒー、酒類の飲用もひかえてもらった。食事は通常どおりに摂取してもらった。
4日目に、参加者各人のすべての歯表面のプラークスコアを算出した。次に、数日間あけてから再度歯面清掃を行って全てのプラークを除去した後、今度は、前回水を飲んだグループにはウーロン茶を、ウーロン茶を飲んでもらったグループには水を飲んでもらい、同様の検査を実施した。
試験期間中の水、ウーロン茶ともに平均摂取量は3600ミリリットルと、摂取量に差は認められなかった。試験終了後の平均プラークスコアは、水摂取の場合は126、ウーロン茶摂取の場合は104と、有意な差が認められた。
実験の結果から、ヒトにおいても「ウーロン茶を飲用すると、水を飲用した時と比べて、プラークの沈着が少なくなる」ことが分かった。
さらに「歯面清掃を実施した際、ウーロン茶を飲用した時に形成されたプラークの方が、水を飲用した時と比較してはがれやすくなっている」ことが確認された。
以上の結果から、「ウーロン茶の日常的な飲用は虫歯予防のための有用な手段のひとつになり得る」と考えられるという。
(2012.5.27)
【この記事を読んだ方におすすめ】
【注意事項】
管理人が今まで気になった歯科関連の記事を参考に掲載しています。もし記事の著作権に関して問題があり、削除依頼等がありましたらコチラにご連絡下さい。尚、当サイトに掲載している情報で被害や損害があっても当サイトは一切の責任を負いかねます。